サウジアラビアの政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)は、イタリアの防衛企業レオナルドの航空機構造部門への出資交渉が大詰めの段階を迎えている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

部外秘情報だとして関係者が匿名で語ったところによると、両者が航空機構造事業でグローバル部門を構築する案が検討されている。ブルームバーグが今年早くに報じていた両社の協議はほぼ完了しているという。

関係者はまた、バーレーンで開かれる湾岸協力会議(GCC)首脳会議で予定されるイタリアのメローニ首相とサウジのムハンマド皇太子との会談が、政府の最終承認を得る上で極めて重要になる可能性があると述べた。

レオナルドと、同社株30%を保有するイタリア政府の担当者はコメントを控えた。PIFの担当者にコメントを求めたが、通常営業時間外で返答はなかった。

サウジのムハンマド皇太子が石油依存からの脱却を目指し経済の多角化戦略を進める中で、レオナルドとの提携は世界的に重要な製造業分野への進出を広げる機会になる。

レオナルドにとっても、赤字経営が続く航空機構造部門への財務支援につながる。同部門は米ボーイングの787ドリームライナー向け主要構造部品を供給しているが、米国での生産減速が一因となり損失を計上した。

レオナルドの航空機構造部門はイタリア国内4工場で約4000人を雇用し、2024年の売上高は7億4600万ユーロ(約1340億円)だった。

原題:Saudi Wealth Fund Closes In on Investing in Leonardo Business(抜粋)

--取材協力:Leen Al-Rashdan、Dinesh Nair.

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