(ブルームバーグ):高市早苗首相は1日、今後も金利などの動向に留意しながら財政運営をしていく方針を示した。東京都内で開かれたサウジアラビアの国際投資会議「フューチャー・インベストメント・イニシアチブ(FII)」の会合で語った。
日本の財政の現状に関し、「行き過ぎたインフレで実質的な債務圧縮が進んでいると評価するべきではない」とした上で、「賃金、生産性の持続的な伸びによって名目成長率が回復し、税収が過去最高を更新した」と説明。債務残高の対国内総生産(GDP)比が低下しつつあるとした。
自身の掲げる「責任ある積極財政」については「強い経済を実現しながら債務指標の着実な改善を続けることで日本経済の成長力と財政への国内外の信認を同時に引き上げていくことを目指している」と述べた。
高市政権下で初めて策定した2025年度補正予算案はコロナ禍以降最大の規模となり、財源不足を補う新規国債発行額は11兆6960億円に上った。市場には日本の財政への懸念がくすぶっており、高市首相は国際会議で、財政にも配慮した経済財政運営に取り組むことを強調することで投資家らに理解を求めた形だ。
1日の債券市場では新発2年国債利回りが17年半ぶりとなる1%台に上昇した。日本銀行による早期追加利上げへの警戒感から売りが優勢だ。
他の首相発言
- 世界の投資家に信頼してもらえる経済を実現する
- 重要物資を他国に過度に依存することで供給リスクが顕在化
- 造船能力復活やレアアース(希土類)など供給網強靭(きょうじん)化の施策を強化する
- 投資家とも対話し、企業統治改革を進める
- 継続的に事業者が賃上げできる環境整えるのが政府の役割
--取材協力:野原良明、山中英典.
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