(ブルームバーグ):財務省が1日発表した法人企業統計(速報値)によると、7-9月期の全産業(金融・保険を除く)の設備投資は3四半期連続のプラスとなった。
設備投資は前年同期比2.9%増。市場予想は6.0%増だった。8日発表の国内総生産(GDP)改定値に反映されるソフトウエアを除くベースでは2.9%増。市場予想では5.4%増が見込まれていた。前期比では0.3%減少した。製造業で鉄鋼や電気機械、非製造業では情報通信や不動産が伸びた。
日本経済は7-9月に6四半期ぶりのマイナス成長に転じた。高市早苗政権は11月、強い経済の実現に向けて20兆円超の大型経済対策を策定。柱の一つに「危機管理投資・成長投資」を据え、民間企業の投資を引き出す形で戦略的に進める方針を示した。今後は政府の取り組みが設備投資の拡大につながるかどうかが焦点となる。
大和総研の小林若葉エコノミストは、設備投資の前期比マイナスという点で7-9月のGDPへの押し上げ効果は「あまり楽観視できない」とした。一方、人工知能(AI)やデータセンターなどへの需要は旺盛で、今後「設備投資にもかなり効いてくる」と指摘。また、経済対策も企業の設備投資を下支え、押し上げる要因になってくるとみている。
今回の結果について財務省は、景気が緩やかに回復しているとの政府の認識と齟齬(そご)はないと説明。ただ、今後については物価上昇の継続、米国の通商政策、金融資本市場の変動の影響を含め、企業動向について注視していくとしている。

リスク要因
7-9月期の実質GDP速報値で、設備投資は前期比1.0%増。4四半期連続のプラスで増加基調を維持している。もっとも、米国による関税措置に加え、日中関係の悪化による経済への影響など先行きは懸念材料がくすぶっている。
米関税措置を巡っては、日米両国が7月に自動車と同部品に課せられていた25%の追加関税を見直し、既存税率と含めて15%とすることなどで合意。輸入品に一律に課す関税の引き下げと合わせて9月16日に発効した。合意に基づき、8月7日にさかのぼって適用されることが決まった。
11月7日の国会で高市首相が台湾有事を巡り答弁して以降、日中関係が急速に悪化している。中国側は発言の撤回を要求。国民に日本への渡航自粛を呼び掛け、日本産水産物の輸入を事実上停止するなどの措置で日本への圧力を強めている。
7-9月期の経常利益は前年同期比19.7%増と4期連続のプラスで、2年ぶりの高い伸び。財務省によると、電気機械ではAIやデータセンター向けや工場の自動化関連の需要が好調。生産用機械では半導体製造装置の需要が増えた。一方、輸送用機械と業務用機械は減益で、米通商政策の影響を受けた。
売上高は0.5%増と18期連続のプラスだった。
(詳細と背景を追加して更新しました)
--取材協力:横山恵利香.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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