(ブルームバーグ):12月2日に発表されるユーロ圏の11月インフレ率は2%近辺にとどまる見通しだ。12月の会合で金利を調整する必要はないとの安心感を欧州中央銀行(ECB)に与えそうだ。
ブルームバーグが調査したエコノミスト29人の予測中央値によると、11月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.1%上昇と見込まれる。エネルギーなど変動の大きい品目を除いたコアインフレ率は2.4%の見込み。いずれも前月から変わらずとなる。

11月のCPIが予想通りの内容であれば、12月18日の金利決定に向けてECBの据え置き姿勢は確固たるものになり、当局は四半期経済予測に専念できるだろう。最新の予測は2028年までの見通しを含む。
ECB当局者は現時点で様子見の姿勢を強めており、次の金利変更の方向性について明確なコンセンサスはない。28日に発表された各国のデータは、当局の姿勢をさらに曖昧にするものだった。ドイツとスペインでインフレ率が予想を上回った一方、フランスとイタリアでは下回った。
政策委員会内にどちらかの方向へのバイアスがあるとすれば、現時点では物価上昇圧力を示す材料を探す方向に傾いているもようだ。デギンドス副総裁は26日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「私の見方では、下振れリスクは限定的だ」と述べた。
現行の政策スタンスが良好な位置にあるとの見方を繰り返し示しているラガルド総裁は、12月3日にブリュッセルで予定される議会証言で自身の見解を示す。
ECB内で方向感が定まらない状況は、エコノミストのまちまちな見方に反映されている。ブルームバーグ・エコノミクスは、今後数カ月でインフレが減速し、利下げの根拠が強まると予測している。
一方、BNPパリバは異なる見解だ。先進国市場担当チーフエコノミスト、ポール・ホリングスワース氏はリポートで「2026年入りが近づくに伴い、ECBは現在の想定を上回る成長とインフレを見込むようになり、金利据え置きを長期化させる根拠はいっそう強まるはずだ」との見方を示した。「次の一手は利上げとみている」という。
12月1日からの週にはそのほか、経済協力開発機構(OECD)が2日に最新の世界経済見通しを公表する予定。米国では消費者物価指標が発表され、英国では当局が金融安定性に関する評価を示す。
米商務省経済分析局(BEA)は12月5日に、遅れていた9月の個人所得・支出統計を公表する。発表内容には、米連邦準備制度理事会(FRB)が重視する個人消費支出(PCE)価格指数およびコア指数が含まれる。エコノミストはコア指数が3カ月連続で0.2%上昇すると予測している。前年比上昇率は3%をわずかに下回り、インフレ圧力が安定しつつも粘着性があり、FRBの目標を上回る状態が続いていることが示される見込みだ。
こうした状況下で、12月9-10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合では、雇用情勢を焦点に3会合連続の利下げを実施すべきかどうかが議論される。投資家は利下げが実施される確率が高いとみている。
直近の雇用統計では非農業部門雇用者数が予想以上に増加したものの、その増加はごく一部の産業に偏っていた。失業率はほぼ4年ぶりの高水準に上昇した。企業からは人員削減のニュースが相次いでいる。
欧州ではユーロ圏インフレ率のほか、イングランド銀行(英中銀)が12月2日に金融安定報告を公表する。予算発表後の市場混乱リスクは後退したように見えるものの、別の金融安定上の懸念が指摘される可能性が高い。ベイリー総裁の記者会見も予定されている。
原題:Euro-Zone Inflation Near 2% to Seal Deal on ECB Hold: Eco Week(抜粋)
--取材協力:Swati Pandey、Laura Dhillon Kane、Vince Golle、Monique Vanek、Robert Jameson、Mark Evans、Beril Akman、Andrew Langley.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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