中国のロボティクス関連株を巡る投資家の熱狂が、不安感へと変わりつつある。潜在的なバブルへの警告を政府が新たに発したことで、割高なバリュエーションに改めて注目が集まっている。

ソラクティブ中国ヒューマノイドロボティック指数は年初来で約60%上昇し10月に高値を付けた。支援的な政策に加え、ダンスやキックボクシングを披露するヒューマノイド(ヒト型)ロボットの動画が話題となったことを背景だ。中国の人工知能(AI)技術と製造力を掛け合わせた同分野は、戦略産業の育成を目指す中国政府による政策の中核をなしてきた。

ただ、急速な上昇は未成熟な分野がファンダメンタルズを上回るペースで拡大するリスクも浮き彫りにしている。同指数は高値からほぼ20%下落した。慎重姿勢の広がりはAI企業の割高感と巨額投資に神経質になる米ウォール街の雰囲気とも重なる。こうした不安に追い打ちをかけるように、 中国国家発展改革委員会(発改委)は今週、急成長するヒューマノイドロボット分野でバブルが形成されるリスクに警鐘を鳴らした。当局がこの分野に懸念を示すのは異例だ。

上海乗舟投資管理の最高経営責任者(CIO)、傅峙峰氏は「今のロボティクス株に対する判断は中立だ。すでにバリュエーションが高く、サプライチェーンの各段階でポジションを確保できる企業はごく一部に限られるためだ」と指摘。「長期的には、混み合っている分野から勝ち残るのは1-2社かもしれない」と述べた。

 

高パフォーマンス銘柄の中には、 UBテック・ロボティクス(深圳市優必選科技)のように、上半期に4億1400万元(約91億円)の赤字を計上しながらも、株価が年初来で倍以上に上昇した企業もある。寧波中大力徳智能伝動は第3四半期の純利益が19%減少したにもかかわらず、株価は年初来で186%上昇した。

ブルームバーグのデータによると、同セクターの株価収益率(PER、12カ月先予想ベース)は58倍前後と、CSI300情報技術指数の32倍を大きく上回る。

イェン・ユン・ファミリーオフィスのファーストバイスプレジデント、ラビ・ウォン氏はPERについて「来年の業績期待を先取りしすぎている」と警告。「主要部品メーカーは20%以上の増収だった一方で、ヒト型・サービスロボットのスタートアップの7割超は赤字のままで、市場全体の高成長期待に応えられていない」と語った。

モルガン・スタンレーも投資家の熱狂に疑問を呈しており、ヒトと比べた際の効率の低さを踏まえると、ロボットの産業用途に懐疑的な見方を示している。最近のリポートでは、楽観派が2026年にヒト型ロボットの台数が10万台を超えると予想する一方で、モルガン・スタンレーは26年に1万2000台、30年に11万4000台と見込んでいる。

 

原題:China’s Robotics Stocks Face Investor Scrutiny Over Bubble Fears(抜粋)

--取材協力:Lin Zhu.

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