28日の日本市場では債券相場が反落(金利は上昇)した。日本銀行の利上げ期待に国債増発懸念が加わった。株式は続伸、円は対ドルで156円台前半で推移した。

10年国債利回りは午後に一時3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い1.825%まで上がった。東京都区部の消費者物価指数が日本銀行の早期利上げ観測を後押しする内容で、2年利付国債入札はやや弱めの結果になった。日銀利上げ期待を受けた銀行株などが上げて株式は上昇、東証株価指数(TOPIX)は約2週間前に付けた最高値に迫る場面があった。

植田日銀総裁(右)

長期金利上昇、円下落、株式は最高値と大幅調整という値動きが大きかった11月が終わりを迎え、金融市場は日米金融政策が決まる12月に入る。米国は利下げで日銀は利上げという予想が市場で増えおり、市場の読みと発表される政策が相場水準を左右する。

大和証券の阿部健児チーフストラテジストは12月の展望について、米利下げを含めてTOPIXは上昇の可能性が相対的に高く、電子部品やITシステムといったグロース株がアウトパフォーム、日銀の利上げ再開期待や株主還元強化期待から銀行業などもアウトパフォームしようと27日付リポートで予想した。

債券

債券相場は下落。国債増発懸念やこの日の2年債入札結果が弱めだったことが重しになっている。

2年債の入札結果によると、応札倍率は前回(4.35倍)から低下した。最低落札価格も100円00銭と市場予想(100円00銭5厘)を下回った。小さいほど入札の好調を示すテール(落札価格の最低と平均の差)は1銭2厘と前回(2厘)から拡大した。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤原和也債券ストラテジストは「補正後の国債発行計画の内容を見極めたい向きや、来週の日本銀行の植田和男総裁の講演を前にして買いを手控えられている面もある」と述べた。

財務省は28日、2025年度国債発行計画の再度の修正を発表した。超長期債の大幅な下落を受けて異例の見直しとなった6月に続き、補正予算決定に伴う国債増発で見直した。

新発国債利回り(午後3時時点)

株式

株式相場は上昇。東証プライム上場銘柄のうち約7割が上昇、業種では利上げ期待が追い風となっている銀行のほか、機械や商社が高い。

一方で東京エレクトロンやソフトバンクグループ、フジクラといった人工知能(AI)関連の一角が下げた。

SMBC信託銀行の山口真弘投資調査部長は銀行株について「来週にある日本銀行の植田和男総裁の講演に向け、利上げ期待が高まっている」ことが追い風になったと話す。一方、「投資家心理が悪化したわけではないが、AI関連が調整気味な展開は続いており、日中関係の悪化で中国関連株も買われづらい」とみていた。

11月としては日経平均株価は4.1%下落、月間ベースでは3月以来8カ月ぶりのマイナスとなった。

為替

円相場は対ドルで156円台前半で推移。米国の祝日で新規の手掛かり材料に乏しい中、来週の日銀の植田総裁の講演で早期利上げの可能性を見極めようとの雰囲気が強い。

三菱UFJ信託銀行資金為替部マーケット営業課の酒井基成課長は、「米国市場は感謝祭開けで今後は多少市場流動性が戻ってくるが、例年感謝祭後の週末は休みが多く、市場参加者が少ない」と指摘。「日銀の植田総裁の発言機会あるので一番の注目点になる」と述べた。

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