(ブルームバーグ):全国の物価の先行指標となる11月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は、前月から伸びが横ばいとなった。事前予想を上回り、市場の早期利上げ観測の支えとなりそうだ。
総務省の28日の発表によると、コアCPIは前年比2.8%上昇した。市場予想は2.7%上昇だった。日本銀行が目標とする2%を上回るのは13カ月連続となる。
エネルギーは政府による電気・ガス料金補助の終了に伴い、2.6%上昇と前月から伸びが拡大。家庭用耐久財や好調なインバウンド(訪日外国人)需要を背景とした宿泊料の値上がりも押し上げに寄与した。一方、生鮮食品を除く食料は6.5%上昇、このうちコメ類は37.9%上昇といずれも伸びが縮小した。
日銀の目標を上回る消費者物価の上昇が続く中、政府は21日、物価高対応を中心とする21.3兆円規模の経済対策を決定した。日銀審議委員の発言や円安進行を受けて、日銀が12月にも利上げに踏み切るとの見方が広がっている。今回のCPIの結果は日銀の物価見通しにおおむね沿った内容と言える。

ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査部長は、「企業がコストの増加を消費者に価格転嫁し続けていることを示している」と分析。食料品価格の上昇は今後減速するとみられる一方、円安が物価の上振れリスクを高めうると指摘した。日銀利上げの基本シナリオは1月だが、「円相場や政治状況を踏まえて判断される」とみている。
生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIは2.8%上昇と前月から伸びが横ばいだった。総合指数も2.7%上昇と伸びは変わらず。いずれも市場予想と一致した。
賃金動向を反映しやすいサービス価格は1.5%上昇となり、前月の1.6%上昇からプラス幅が縮小した。一般サービスの外食や家事関連サービスなどの伸びが鈍化したことが要因。高水準の賃上げが続く中で、賃金上昇を販売価格に転嫁する動きの広がりが注目されている。
ブルームバーグ・エコノミクスの見方
「11月の東京CPIは、堅調な賃金上昇や強まった物価上昇期待、エネルギー補助金の縮小を背景に、インフレが根強い状態にあることを示している。東京の動向が全国的なインフレ率が3%近くに達することを示唆する中、今回の数値は物価上昇が持続的であり、日銀は早ければ12月にも追加の金融緩和縮小を正当化するに足るという確信を強めるだろう」
木村太郎シニアエコノミスト
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翌日物金利スワップ(OIS)から算出した12月18、19日の日銀会合での0.25ポイントの利上げ確率は足元で57%程度。来年1月会合を含めると88%程度となっている。
28日の東京外国為替市場の円相場は、対ドルで156円台前半での小幅な値動き。米国の祝日で新規の手掛かり材料に乏しい中、東京CPIへの目立った反応は見られていない。来週の日銀の植田和男総裁の講演で早期利上げの可能性を見極めようとの雰囲気が強い。
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--取材協力:藤岡徹.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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