米アルファベット傘下のグーグルが人工知能(AI)の分野で猛烈に追い上げ、米テック企業を取り巻く競争環境に変化の兆しが見えてきた。日本のAI関連銘柄にも今後、選別の波が押し寄せる可能性がある。

OpenAIとDeepSeek、Geminiのロゴ

グーグルは最新AIモデル「Gemini(ジェミニ)3」が足元で高評価を集め、独自のAIチップ「テンソル・プロセッシング・ユニット(TPU)」は米メタ・プラットフォームズが導入する方向で協議していると報道された。AI相場の象徴だった米半導体メーカーのエヌビディア株は競争激化への懸念から、25日に一時7%超下げた。

米テック業界における勢力図の変化は日本株にも波及するかもしれない。大和アセットマネジメントの建部和礼チーフストラテジストはAI関連株が丸ごと買われるフェーズは終わり、「今後はより選別が強まる」とみる。

ニッセイアセットマネジメントの山本真以人チーフ・アナリストは、グーグルの動きは日本の半導体製造装置や電子部品のメーカーに追い風と話す。

特に半導体試験装置を手がけるアドバンテストへの恩恵が大きいと山本氏はみており、既存のエヌビディア向けにTPUなどが加わるイメージと説明する。アドバンテストは10月の決算説明会で、来年はTPUなどカスタム半導体が大きく拡大して成長に寄与するとの見通しを示した。同社株は今週約6%上昇している。

半面、グーグルの動きは半導体を搭載するAIサーバーの台数増加につながるわけではなく、山本氏はメモリー大手のキオクシアホールディングスなどには必ずしも直接的な恩恵があるわけではないと言う。

半導体部材を巡って株価の明暗が分かれたのがTOPPANホールディングスとイビデンの2社だ。グーグルとTPUを共同開発する米ブロードコム向けのシェアが高いとされるTOPPANは今週約12%上昇した一方、エヌビディアが主要顧客のイビデンは約5%下げた。

国内の代表的なAI関連銘柄の一つであるソフトバンクグループ株は25日に一時11%下落。26日は反発しているものの、下げを完全には取り戻せていない。三菱UFJeスマート証券の山田勉マーケットアナリストは「Gemini3」への高評価を受け、ソフトバンクGが出資する米OpenAIを取り巻く競争環境激化への懸念が高まっていると指摘する。

多くの国内企業にとってグーグル躍進の影響は限定的だとの見方もある。岩井コスモ証券の斎藤和嘉シニアアナリストは「グーグルの半導体シェアが上がってもAIの演算需要は変わらないことに加え、半導体の製造を担う台湾積体電路製造(TSMC)の生産能力は限られており、半導体装置や関連企業への影響はニュートラル」とみていた。

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