人工知能(AI)関連株のバブルは崩壊してはいないが、勢いがやや落ちており、S&P500種株価指数の大台到達を遅らせていると、ヤルデニ・リサーチの創業者エド・ヤルデニ氏が指摘した。

ウォール街で最も強気なストラテジストの1人として知られるヤルデニ氏は、S&P500種の年末目標を7000に設定しているが、この水準に達するのは来年になるとの見通しを示した。AI関連株で利益確定売りが出ていることが主因という。

S&P500種は現在、この目標水準を約4%下回っている。24日には1.6%高となったが、11月は月間ベースで4月以来の下落となる方向だ。投資家はAI関連で割高感のあるハイテク株から、ヘルスケアなどディフェンシブ銘柄に資金を移す動きを強めている。AI関連の大型投資に対する警戒感が背景にある。

ヤルデニ氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで「AIバブルと呼ぶ人もいるが、それは良いことだ。バブルを懸念する人が増えるほど、ゆっくりと過熱感が和らいでいく。慎重さが出てくるのはむしろ健全な動きだ」と述べた。

エド・ヤルデニ氏がブルームバーグテレビジョンで語る

S&P500種は過去1カ月の調整を経ても、4月の安値を35%上回る水準にあり、今年も3年連続で2桁の上昇率を記録する見通しだ。

AI導入による生産性向上への期待から超大型ハイテク株に資金が集中してきたが、投資家の間ではそのシナリオに疑念が出始めている。ヤルデニ氏は、これによりバリュエーション(株価評価)が落ち着いてきているとした。同氏は過去数年の株式市場を「狂騒の2020年代」と表現している。

同氏によると、ハイテク7社で構成する「マグニフィセント・セブン」の予想PER(株価収益率)は約27倍で、「割高感がやや修正される」局面にあるという。

このセクターの上昇をけん引してきたのは、最先端の大規模言語モデル(LLM)の学習・運用向け画像処理半導体(GPU)を製造するエヌビディアなどだ。企業はAI開発能力を高めるため、GPUへの大型投資を進めている。

ヤルデニ氏は23日の顧客向けリポートで「ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)によるGPU購入の会計処理を、誰も正確に予測するどころか理解することすらできないと考えるようになった」と記した。

ただ、予想PERが19-20倍で取引されている他の市場セクターは、一段と評価が高まる可能性があるとみている。26年末のS&P500種目標を7700に据え置く一方、「現在の調整が修正局面に発展する可能性もある」と述べた。

ブルームバーグが集計したデータによると、S&P500種の市場予想平均は25年末が約6600、26年末が7260となっている。

原題:AI Bubble Air Loss Delays S&P 500 Rally to 7,000: Yardeni (1)(抜粋)

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