ブラジルの都市ベレンで開催された国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)は、地球温暖化を促す化石燃料からの移行に向けた新たな取り組みについて合意文書を22日に採択し、閉幕した。COP30には約200カ国が集まり、2週間にわたり交渉を行った。

ただ今回の合意文書は気候変動の大きな要因である石油や天然ガス・石炭に明示的に言及しなかった。そうした化石燃料からの移行に関する具体的な計画も示さなかった。このため、一部の国が不満を示している。

合意文書は渋々ながらも受け入れられた形。多くの国々は気候変動に対してもっと対策を講じる必要があると主張したが、完全でない合意でも全くないよりはましだと認めた。

パワー・シフト・アフリカのディレクター、モハメド・アドウ氏は「地政学的に分断が進む中、COP30は正しい方向への小さな一歩となった」と述べた上で、「気候危機の規模を考えれば、この局面に対応しきれていない」と指摘した。

合意文書は、産業革命前と比べて世界全体の気温の上昇を1.5度に抑える上で必要な取り組みと、各国が実際に実施または約束している行動との間に広がるギャップに対応する。議長国は1.5度に抑える上で必要な行動の「実行を加速」する自発的な新イニシアチブを主導する。

約80カ国と欧州連合(EU)は、石油・ガス・石炭から脱却しクリーンな経済へ移行するための指針として、より具体的なロードマップを強く求めたが、中東の主要な産油国・産ガス国やロシアの反対を受けた。

原題:Climate Summit Reaches Deal That Leaves Many Nations Unhappy (2)(抜粋)

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