人工知能(AI)関連株の急伸が米カリフォルニア州の税収を約110億ドル(約1兆7000億円)押し上げた。ただ財政赤字は依然として拡大基調にあり、来年度には約180億ドルに膨らむ見通しだ。州当局が明らかにした。

州議会分析局(LAO)は19日の報告書で、雇用の伸び鈍化や消費の横ばいが続いているが、AI関連株の上昇で富裕層が巨額のキャピタルゲインを得たことで、一般会計の歳入が想定を大きく上回ったと指摘した。ただ、この上乗せ分のほぼ全額が、公立学校および準備金積み立てに関する支出義務の増加によって相殺されている。

LAOの分析官、ガブリエル・ペテック氏は「率直に言えば、足元の財政状況はかなり脆弱(ぜいじゃく)だ」と記者団に述べた。

ハイテク主要7銘柄で構成するブルームバーグ・マグニフィセント・セブン指数は、年初来で約19%上昇しており、S&P500種株価指数の上昇率(13%)を上回っている。LAOによると、昨年上期には主要テック企業4社の高所得者が得た株式報酬が、州の所得税源泉徴収額の約1割を占めていた。

一方、カリフォルニア州は富裕層への依存度が高く、景気の好不況による影響を受けやすい。所得上位1%の納税者が個人所得税収のほぼ半分を負担しており、この点をペテック氏は懸念している。同氏はAI株高を支えているのは、実際の経済活動よりも、AIや半導体・データセンター投資に対する投資家の熱狂だとの見方を示した。

原題:AI Stock Gains Boost California Revenue by $11 Billion (1)(抜粋)

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