米アルファベットの株価が19日、取引時間中の最高値を更新した。前日発表した最新の人工知能(AI)モデル「Gemini(ジェミニ)」を高く評価する声が相次ぎ、変化の激しいハイテク業界で競争力を維持できるとの期待が高まった。

株価は一時6.9%高となり、9月初旬以来の上げ幅を記録した。ニューヨーク時間午前11時時点で37万6000件を超えるコールオプションが取引され、過去20営業日の1日平均(約29万件)を上回った。S&P500種株価指数、ハイテク株比率の高いナスダック100指数も値上がりしている。

アルファベットが18日発表した「Gemini3」は性能面で高評価が広がっており、これに先立ち今年発表されたOpenAIの「GPT-5」モデルが賛否両論を呼んだのとは対照的な反応となっている。

ロバート・W・ベアードのアナリスト、コリン・セバスチャン氏は「絶賛レビュー」が続出しているとして「Gemini3はGPT-5が目指していた姿なのか」とリポートで指摘。「検索エンゲージメントや収益化への効果に加え、グーグルはリアルタイムのウェブ索引インデックス化と高度なモデル訓練を組み合わせており、これが大きな競争優位になるとみている」と記した。

足元ではアルファベットへの追い風が強まっている。今週に入りループ・キャピタルが「AI熱狂の波の中で同社株に対するさまざまな懸念は払拭された」と指摘し、アルファベット株の投資判断を「買い」に引き上げた。

先週末には、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイが7-9月(第3四半期)にアルファベット株を1790万株取得していたことが明らかになった。バフェット氏はアップルを除いてテクノロジー株投資にはあまり積極的でないことで知られており、今回の株取得はバフェット氏による異例の「お墨付き」と受け止められている。

アルファベット株は年初来で57%上昇。値上がり率はハイテク7社で構成される「マグニフィセント7」の中で首位となっているほか、ナスダック100指数の上昇率のおよそ3倍となっている。

原題:Alphabet Shares Soar on ‘Rave Reviews’ for New Gemini AI Model(抜粋)

--取材協力:Elena Popina.

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