ワーナー米上院議員(民主党)は、急速に発展する人工知能(AI)の影響で、大学卒業後間もない若年層の失業率が今後2-3年以内に最大25%に達する恐れがあると警告した。

ワーナー氏は17日のブルームバーグとのインタビューで、高等教育まで多額の費用を負担したにもかかわらず職に就けない多数の若者や家族の経済的不満が「前例のないレベルの社会的混乱」を引き起こす可能性があると指摘。「2028年までには、これが極めて重要な問題の一つになり得る。こうした事態に備えなければならない」と語った。

ワーナー氏は元通信企業幹部で、テクノロジー政策に関して発言力を持つ。

米労働統計局によると、大卒の20-24歳の失業率は8月時点で9.3%と、2年前の7.4%から上昇している。

マーク・ワーナー上院議員

ワーナー氏は、対応策として大規模な職業再訓練プログラムを計画しており、経済に影響を及ぼしているAI大手は費用の70-80%を負担すべきだと主張。「テック業界の人たちに、再訓練プログラムの内容を考えるのを手伝っていただき、その取り組みを5年間継続することを望む」と語った。

議会では、AIが雇用に及ぼし得る影響を巡り公聴会が複数回開かれ、AI関連の訓練や人材開発に関する提案も出されたが、まだ重要な法律は成立していない。労働組合は、AI導入が進む中で労働者の権利を守りつつ、変化への適応を支援するルール作りを繰り返し求めている。

ワーナー氏とホーリー上院議員(共和党)は今月、企業や政府機関に対し、AIの台頭が雇用に与えた影響を四半期ごとに報告するよう義務づける法案を提出した。ただワーナー氏は、AI安全対策に関する包括的な法案を議会が可決する可能性は低いとの見方を示した。

2026年に改選を控える同氏は「AIは子どもたちを含めわれわれ全員に影響する問題だ」として、選挙戦でもAIを主要テーマとして掲げる考えを明らかにした。

原題:AI Risks Leaving 25% of New College Grads Jobless, Senator Says(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.