家具小売り大手イケアの店舗を世界で約9割運営するインカ・グループで、スウェーデン国籍ではない人物が初めて最高経営責任者(CEO)に就任した。スペイン出身のフベンシオ・マエストゥCEOは、同社の「倹約の伝統」を守りつつ、手頃な価格を維持する方針を表明した。

マエストゥ氏は就任後初のブルームバーグとのインタビューで、平らに梱包(こんぽう)された組み立て式家具からスウェーデン国内店舗で定番の5クローナ(約82円)のホットドッグまで、価格競争力を維持し、より多くの顧客を引きつけたいと語った。

同氏によると、インカ・グループは2025年8月通期に売上高が1%減の415億ユーロ(約7兆4100億円)だった一方、営業利益は17%増加し15億ユーロに上った。

過去25年間、同社でさまざまな職務を歴任してきた同氏は、利益の増加について効率改善の成果と説明し、店舗をショールームとして活用すると同時にオンライン注文の対応拠点としても機能させる施策などを挙げた。また、ロシア事業撤退に伴う一時費用の計上がなくなったことも業績押し上げ要因となった。

生活費高騰の圧力やサプライチェーンの混乱が続く中で、「耐久力が試される1年だった」とマエストゥ氏は述べ、「企業は全体として、より不安定な世界で事業運営するすべを学んでいる」と語った。

原題:IKEA’s First Non-Swedish CEO Vows to Preserve Its Frugal Roots(抜粋)

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