(ブルームバーグ):ヘッジファンド、ピクトン・インベストメンツのデービッド・ピクトン最高経営責任者(CEO)は、従順過ぎると見なされる人物をトランプ米大統領が連邦準備制度理事会(FRB)議長に指名した場合、債券市場は即座に反応して米国に罰を与えるとの見方を示した。また政治の動きを背景としたボラティリティー(変動性)に備える手段として、貴金属は引き続き有効だと指摘した。
「(トランプ大統領のSNSである)トゥルース・ソーシャルへの投稿量とディベースメント取引の状況には関係がある。つまり、金・銀など商品ベースのヘッジ取引だ」とピクトン氏は述べた。
先週初めには、トランプ政権がパウエルFRB議長への攻撃を強めたことで、「米国売り」のセンチメントが市場に広がり、金と銀の価格が急伸。さらに、トランプ氏がグリーンランドを巡って欧州諸国への脅しをエスカレートさせたことで、貴金属は19日に再び値を上げた。
米司法省は、FRB本部の改修計画を巡るパウエル氏の証言について召喚状を送付。だがパウエル氏は刑事捜査について、利下げが十分迅速に行われなかったことへの報復の口実だと主張している。
ピクトン氏は、最終的にFRBの独立性が失われることになるとはみていないが、トランプ氏によるパウエル氏への度重なる攻撃は「極めて有害だ」と指摘した。
「もし新しいFRB議長が1970年代のアーサー・バーンズ氏のように大統領の意向に従う人物になれば、市場は極めて迅速に罰を与えるだろう」とピクトン氏は述べた。
今年の投資見通しについては、景気刺激策により世界経済は加速する可能性が高いとピクトン氏はみている。米欧や中国といった主要国・地域が金融・財政両面で景気支援策を展開しており、これには大規模なインフラ投資や防衛費の増額も含まれている。
ピクトン氏は「こうした動きが進めば市場全体に幅広く恩恵が及び、上昇相場に加わる銘柄も広がるだろう」と述べた。
テクノロジー分野では、人工知能(AI)セクターにおいて資本効率の重視がテーマとなりつつあるため、勝ち組と負け組の選別が進む可能性があると予想。
その結果、テクノロジー株から資金が移動し、自動車や外食、消費関連、運輸といった他の分野に流れ込む余地が生まれると、ピクトン氏は分析する。
こうした要素は株式市場にとっては総じてプラス材料だが、株価が調整局面に入る可能性は常にあるとピクトン氏は指摘する。引き金となり得るのは、政府の借り入れ過多に対して債券投資家が反発し、金利が急上昇する事態だという。
ピクトン氏は「債券自警団が黙っていないかもしれない」と指摘。自社では調整局面に備えてヘッジポジションを拡大していると明かした。
商品に強気
ピクトン氏は商品市場に強気だ。「この分野への投資不足と、需要の高まりが相まって、供給逼迫(ひっぱく)を引き起こす。現時点で恐らく既にその段階に入っているのだろう」と述べた。
銀価格が下がってくれることを望んでいるとピクトン氏。理由として「もう少し購入したい」としつつ、「自分と同じように考えている投資家は大勢いると思う」と続けた。銀の需給状況は、在庫不足を背景にさらなる上昇を示唆しているという。
「銀は非常に説得力のある投資対象だ。電力関連にも、太陽光発電にも銀は不可欠だ。経済全体にとって必要なのだ」とピクトン氏は語った。
原題:Hedge Fund Picton Says Markets Will Punish Fed Bowing to Trump(抜粋)
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