(ブルームバーグ):ブランド品買い取り店運営のバリュエンスホールディングスは12日、仏エルメス・インターナショナルの高級ハンドバッグ「バーキン」の第1号を東京で初披露した。
このバッグは、エルメスが英仏で活躍した歌手で女優の故ジェーン・バーキンさんのために作ったオリジナル品。7月にサザビーズがパリで開催したオークションで、同社の傘下企業が858万ユーロ(約14億7000万円)で落札した。オークションで取引されたバッグとしては史上最高額を更新した。
同社の嵜本晋輔代表取締役は9月のインタビューで、今回の初代バーキン落札のニュースは「おそらくすべての方にリーチした」と話し、日本国内で約7億円相当の広告効果をもたらしたという。このバッグを売却する意向はなく、将来世代のために価値を保存する目的で東京で展示する。
バーキンは諸費用も含めて非償却資産として固定資産に計上、保管・維持費は年間約1000万円を見込む。前期(2025年8月期)の広告宣伝・販促費は約24億円だった。前期営業利益は14億5300万円と、ほぼバッグと同額だ。今期の営業利益は前期比31%増の19億円を計画している。
リユース経済新聞によると、国内のリユースファッション市場規模は24年に初めて1兆円を超え、中古ブランド品の売り上げは前年比約16%増の4230億円だった。円安基調の下でインバウンド需要の拡大が背景。JTBは、25年の訪日客数が過去最高の4020万人に達すると予想している。
初代バーキン落札のニュースはCNNなどの海外メディアでも取り上げられた。嵜本氏は「絶対負けない投資だ」と述べ、経済的なリターンはもちろんあると話した。
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