ソフトバンクグループ株が12日の東京市場で反落している。一時前日比10%安の2万415円を付け、2カ月ぶりの日中安値となった。前日の米ハイテク株安の流れを受け、決算期待で上げていた反動による利益確定売りが出ている。

ソフトバンクGが11日に発表した7-9月(第2四半期)決算は、純利益が前年同期比で大幅増の2兆5022億円となり、米OpenAIなど未公開株の評価益が寄与した。

シティグループ証券アナリストの米島慶一氏は英文リポートで、公正価値評価の上昇に伴う純資産価値(NAV)の拡大を全面的に歓迎したいと評価した。

一方、エヌビディア株を全て売却するなど、資金調達負担の高まりも意識される。りそなアセットマネジメントの戸田浩司シニアファンドマネジャーは、エヌビディア株の売却によって、今後は資産効果が見込めなくなると指摘した。

同氏は、第2四半期決算は「強い数字が出たが、毎四半期安定的に出てくるビジネスモデルではない」と述べ、利益確定売りが出やすいとの見方を示した。きょうの下げは、米ハイテク株安の流れを受けたものだと説明。米市場ではエヌビディア株が一時3.9%下落、アーム・ホールディングス株は一時5.3%下げた。

今後、同社に対する市場の評価は、巨額投資と財務負担増のバランスが焦点になる。同社は、AIプロジェクト「スターゲート構想」で今後4年間で他社と連携し最大5000億ドル投じる計画だ。こうした投資に向けて、海外債券市場での資金調達を積極的に進めており、10月にはドル建てとユーロ建てで、総額4300億円超の劣後債を起債した。

前日の会見で後藤芳光最高財務責任者(CFO)は、エヌビディアの全株売却の理由について具体的なコメントを避けたものの、OpenAIへの投資は大きく、既存アセットの一部を対象に売却して資金調達に活用する考えを示した。

6月以降のソフトバンクG株はAIバブルの恩恵で上昇を続け、決算前には年初来で2.5倍となり、時価総額は30兆円を突破していた。

(情報を追加して更新します)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.