(ブルームバーグ):19日の日本市場では財政悪化への懸念から長期金利が17年超ぶりの高水準を連日で更新し、円は対ドルで155円台半ばと2月以来の安値圏で取引されている。株式は米国のハイテク株安やエヌビディア決算を見極めたいとの雰囲気から、4営業日続落。
債券・為替市場では経済対策の裏付けとなる今年度補正予算の規模が膨らむことへの懸念から、「日本売り」が強まることへの懸念がくすぶっている。きょう実施の20年国債入札に対する警戒感も強い。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは「日本の財政悪化懸念を意識した売りが続く構造はきょうも変わらない」とみている。
債券市場では長期金利の指標となる新発10年債利回りが前日比1.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い1.76%と2008年以来の高水準を更新。新発20年債利回りは1bp高い2.795%と1999年以来の高水準を付けている。
稲留氏は20年債入札について「金利水準は十分に高いものの財政懸念が一番大きく、積極的な買いは見込みにくい」とし、入札が弱い結果になって午後に債券相場が一段安になる展開を予想する。
円相場は日本銀行の利上げが遅れるとの見方もあり、売られやすい地合いが続いている。三菱UFJ信託銀行ニューヨーク支店資金証券室のシニアバイスプレジデント、横田裕矢氏は「財政拡張懸念で金利が上昇して通貨が下落する悪い円安になっており、当局の介入を催促している」と語る。
株式は4営業日続落。主要株価指数は反発して始まったものの、米ハイテク株安が重しとなり、下げに転じた。米エヌビディア決算や20日の米雇用統計を控えた様子見姿勢も強い。電機や機械、非鉄金属などで売りが先行。半面、医薬品や小売りは高い。
大和アセットマネジメントの建部和礼チーフストラテジストは、債券市場で財政拡大懸念がじりじり高まっている動きが続くと、株式にもマイナスの影響が波及してくるだろうと述べた。
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