(ブルームバーグ):米中小企業の景況感は10月に後退し、6カ月ぶりの低水準となった。収益の悪化や景気を巡る楽観の弱まりが背景にある。
全米自営業連盟(NFIB)が11日発表した中小企業楽観度指数は前月比0.6ポイント低下の98.2。指数を構成する10項目のうち5項目が悪化し、4項目が改善した。
過去3カ月間に「収益が増加した」と答えた経営者の割合から、「減少した」と回答した人の割合を差し引いた比率は9ポイント低下し、新型コロナ禍以降で最大の落ち込みとなった。販売の伸び悩みや原材料コストの上昇が重しとなった。
全体の指数には、景気見通しに関する楽観の後退も反映された。今後6カ月間に「事業活動が改善する」と見込む経営者の差し引き割合は3ポイント下げて20%と、4月以来の低水準を記録した。
中小企業にとっては労働力の質が依然として最大の課題となっているが、人員採用難に関する懸念は相対的に和らいでいる。求人を補充できなかったと報告した経営者は全体の32%にとどまり、2020年末以来の低水準に並んだ。募集職種に対し「適格な応募者がほとんどいない、またはいない」と答えた企業の比率は、20年末以降で最も低い水準の一つだった。
一方、今後3カ月の雇用計画はわずかに後退し、5月以来の低下となった。
今回は実施済みおよび計画中の値上げがともに減少したことも示された。値上げを「計画している」と回答した経営者の差し引き割合は30%で、前月から1ポイント低下した。不確実性指数は年初来の最低水準まで下がったものの、歴史的な高水準になおとどまっている。
原題:US Small-Business Optimism Dips to Six-Month Low on Earnings (1)(抜粋)
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