（ブルームバーグ）：トルコの検察当局は、エルドアン大統領の最大のライバルで、イスタンブール市のイマモール市長に対し、2000年以上の禁錮刑を求める起訴状を提出した。トルコで最も著名な野党政治家のイマモール氏は、次期大統領選挙への立候補が禁止される恐れもある。

イマモール氏は今年3月、汚職容疑で逮捕された。当局は402人の容疑者を名指ししたうえで、イマモール氏を「犯罪組織の創設者かつ指導者」とする4000ページに及ぶ起訴状を提出した。広範な起訴内容には、贈賄、詐欺、恐喝、入札操作などが含まれている。イマモール氏に対しては、828年から2352年の禁錮刑を求めた。

裁判所は起訴状受理の可否を15日以内に判断し、受理する場合は公判期日を設定する。イマモール氏は以前から不正行為を否定し、今回の逮捕を大統領選出馬を阻止するための「露骨な企て」と主張している。

トルコの株式市場はこのニュースを受けて急落した。イスタンブール市場の主要株価指数は一時3.8％下落し、その後一部反発した。債券市場も打撃を受け、トルコ10年債の利回りは28ベーシスポイント（bp、1bp＝0.01％）上昇し、32.61％となった。

検察はさらに、イマムール氏が所属する野党・共和人民党（CHP）が、今回疑われている犯罪から利益を得たか、最高裁が調査するよう求めた。

CHPの政治家は、他にも複数の事件で起訴に直面している。もし長期の禁錮刑を求める有罪判決が出れば、イマモール氏は事実上政治から遠ざけられ、CHPは候補者探しを急きょ迫られる。政治的安定に対する投資家の懸念も、深まることになる。

イマモール氏は2019年のイスタンブール市長選で、エルドアン氏の与党・公正発展党（AKP）の候補を破り、全国的な知名度を得た。それ以来、イマモール氏は野党の顔となり、複数の訴訟の標的となっている。

原題：Turkey Seeks More Than 2,000 Years Jail for Istanbul Mayor (1)（抜粋）

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.