英国の失業率が予想以上に上昇し、労働市場の減速が一段と鮮明になった。

11日に発表によると、9月までの3カ月の失業率は5%と、8月までの4.8%から上昇。新型コロナウイルス規制下にあった2021年序盤以来の高水準となった。

税データに基づく別の統計では、10月の給与支払い登録者数が前月比3万2000人減少。9月分も同数の減少に下方修正された。

英政府統計局(ONS)の発表によれば、9月までの3カ月間の民間部門賃金は前年比4.2%増と、8月までの4.4%から伸びが鈍化。21年序盤以来の低水準で、エコノミスト予想中央値と一致した。

発表を受けて利下げ観測が強まり、市場が織り込む12月利下げ確率は80%と10日の68%から上昇した。

ポンドは下落幅を拡大し、対ドルで一時0.4%安の1.3121ドルまで下げた。

統計内容はインフレ鈍化が進行しているとの中銀当局者の見方をある程度裏付けた。中銀は先週、5対4の僅差で金利据え置きを決定。

据え置きに票を投じたベイリー総裁は、今後数週間のデータでインフレ圧力の緩和が確認できれば、12月の利下げを支持する可能性を示唆した。

ONSの経済統計担当ディレクター、リズ・マッキューン氏は「総じて見れば、労働市場の軟化を示す数字だ」とコメントした。

今後の焦点はリーブス財務相が26日に発表する予算案になる。

原題:UK Unemployment Hits Highest Since Pandemic as Jobs Market Cools(抜粋)

--取材協力:Mark Evans、Joel Rinneby.

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