「あわよくばベッカムさん夫婦も…」希望を打ち砕く広報担当者の“配慮”

事前に入手したスケジュールによると、式典の終了後、イシグロさんが先にメディアの前に現れ、その20分後にベッカムさんが出てくる予定でした。 「イシグロさんへのインタビューに成功し、その後あわよくばベッカムさんにもインタビューもできないか」と考えていましたが、 そんな甘い希望は、広報担当者の配慮で打ち砕かれました。

「静かな場所でインタビュー出来た方がいいでしょう」

私たちはベッカムさんを待つメインの取材陣がいる場所と、出口を挟んで「別の場所」に分けられてしまったのです。

「欲張ってはいけない、イシグロさんの取材に集中すべし」 頭ではわかっていますが、相手はあのベッカム様です。このチャンスを逃せば、次いつ取材できるかわかりません。なんとか両方を取材できないのか…葛藤が続きました。

イシグロさんの穏やかな笑顔と紳士な対応

緊張しながら待ち構える中、予定より少し遅れてイシグロさんが登場しました。

「まずはイシグロさんへのインタビューを成功させよう」

穏やかな笑顔で、メダルを片手にスチールカメラマンたちの記念撮影に応じているイシグロさんに英語で話しかけました。

「日本のテレビ局のTBSです。この後少しインタビューをお願いできますか?」

すると、イシグロさんは笑顔でこう応じてくれたのです。

「いいですよ。でも私はご存じだと思いますが、日本語があまりうまくないのです。なので、英語でお願いしたいのです」

「英語でもちろん構いません。私の英語もうまくないのでご容赦ください」

こうして式典直後のイシグロさんに単独でインタビューすることができました。優しく穏やかで、思ったよりも気さくだったのが印象的でした。

(※インタビューの詳細は第1回の記事をご覧ください)