チャールズ国王が懸念を示した「AIの脅威」

Q:チャールズ国王から勲章を受ける際に、何かお言葉はありましたか?
短い会話がありました。 (国王は)私が現在何を書いているのか尋ねられ、AI=人工知能の状況や、AIがクリエイティブ産業の人々に与える脅威について懸念を示されました。
そしてそのことについて、ごく簡単に議論しました。私が小説や脚本で何を書いているのか、執筆内容のことが主でした。
Q:それに対して、何と返したのですか?
短い時間でしたし、慣例では国王の方からほとんどの話をするものなのです。 でも国王はいつも、とても魅力的です。栄誉を授かったのはこれで3度目です。
同時に保持できるのは65人限定 特別な「コンパニオン・オブ・オナー勲章」

Q:今回のコンパニオン・オブ・オナー勲章はあなたにとってどんな意味を持ちますか?
非常に特別なものです。 というのも、コンパニオン・オブ・オナー勲章は、同時に保持できるのは65人だけだからです。つまり、誰かが亡くなった時だけその人の代わりが選ばれるのです。
ですから、この65人のグループの一員となれたことは非常に特別な思いです。と同時に、いつか自分が去る時が来るのだと実感させられ、はかなさを感じます。
Q:今後の目標や成し遂げたいことについて、お聞かせいただけますか?
私はもうすぐ71歳になりますので、この後どれほど多くのことができるかは分かりません。
でも小説は書き続けていますし、実は映画化を望んでいるオリジナル脚本が2本あります。 ごく最近、私が25歳の時に書いた最初の小説「遠い山なみの光」を元にした映画が日本で公開されました。そして近く、ジェナ・オルテガ主演、タイカ・ワイティティ監督の「クララとお日さま」が公開されます。 ですから、私の作品が映画化され、私が書いた脚本も映画化されることを楽しみにしています。
Q:日本の皆さんにメッセージはありますか?
私は5歳の時からこの国で暮らしてきましたが、この国での日本のイメージは、大きく良い方向に変化したということです。 特に食文化や、宮崎アニメ、マンガが今や非常に大きな存在です。
また、私の分野の話でいうと、日本語から英語に翻訳された書籍の売上が、他のどの外国語よりも高くなっています。これは実に素晴らしいことです。ですから、この国の人々は日本を愛しているように思えます。

(TBSテレビ ロンドン支局 岡村佐枝子)