(ブルームバーグ):英国のリーブス財務相は、労働党政権が増税はしないとの公約を撤退する意向だと強く示唆し、同国の予算は「厳しい」と認めた。来年度の予算案は月末に発表される予定だ。
リーブス財務相はBBCラジオとのインタビューで、所得税と国民保険料、付加価値税を引き上げないとした選挙前の公約に言及し、「もちろん、選挙公約を守ることは可能だが、その場合は公共投資の大幅な削減などが必要になる」と主張した。
リーブス氏は英国の財政不足が拡大している背景として、世界の武力紛争やトランプ米大統領による関税戦争、予算責任局(OBR)による生産性見通しの下方修正を挙げ、これらによって削られた財政余力を埋めようとしていると説明。このため今月26日に発表する予算案では、増税と支出削減の両方を考えなければならなくなったと続けた。
労働党政権にとってのリスクは、公約違反で同党の支持率がいっそう落ち込む恐れがあることだ。来年5月に重要な地方選を控える中で、労働党は4月以来、ナイジェル・ファラージ氏率いる右派ポピュリスト政党のリフォームUKの後塵を拝している。パウエル副党首やナンディ文化相ら、公約破りには労働党内からも反対の声がある。
リーヴス氏は10日、OBRから予算案公表前の最終的な経済見通しを受け取る予定で、これには財政不足の規模に関する示唆も盛り込まれている。同氏はこれまでに、昨年の予算案発表時に打ち出した99億ポンド(約2兆円)よりも大きな財政余力を確保したいとの考えを示している。
原題:Reeves Gives Strongest Hint Yet of Plans to Raise UK Taxes (2)(抜粋)
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