資生堂は10日、通期(2025年12月期)の営業損益計画を従来の135億円の黒字から420億円の赤字に下方修正した。米州事業ののれんの減損損失を計上することが主因。同時に、早期退職200人前後の募集も公表した。

同社は、2024年2月にも日本事業を統括する資生堂ジャパンで1500人の早期退職を募集している。今回は、グローバル本社機能を持つ同社と国内一部子会社の社員を対象。個々の機能強化と全体最適化で、柔軟で迅速な対応力の高いグローバル体制を構築する。これにより特別加算金などの費用30億円を見込んでおり、今期第4四半期に計上する予定だ。

藤原憲太郎社長は同日の記者会見で、「低成長、低収益に甘んじているという指摘を受けている」と言及し、「この状態を変える」と意気込みを示した。

また、新中期経営計画では2030年までにコア営業利益率と投下資本利益率(ROIC)がそれぞれ10%以上、株主資本利益率(ROE)12%以上などを目標に掲げた。スキンケアやサンケアなど注力領域への積極投資で売上成長を加速させ、原価や人件費などのコスト最適化を図り目標の達成を目指す。

売上成長の具体策については、28年までに10以上の最新技術をブランドに搭載し発売する予定だ。藤原社長は「市場環境が不透明な中でも、新製品による市場創造を実現すれば勝ち抜けると自信を持っている」と話した。

資生堂は24年11月、業績をけん引してきた中国や免税事業の悪化を受けて構造改革を発表。26年コア営業利益率7%を掲げ、米州をはじめとした各地域事業で人員削減やコスト構造の見直しなどを行ってきた。一方で中国国内では消費者の価値観変化や国内ブランドの台頭など、競争環境は厳しさを増している。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、キャサリン・リム氏らは、資生堂の売上高は、2027年まで年平均で2%に満たない伸びにとどまると試算。日本を除くアジアの化粧品需要回復が遅れるとの想定に加え、中国消費者の需要が弱いことが要因と見ている。中国・トラベルリテール事業は第3四半期に増収増益へ転じたが、「市場シェア回復が26年まで持続するかについては、依然として確信が持てない」と指摘した。

(第5、7段落を追加しました)

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