来週の円相場は上昇する見込みだ。株価が不安定な値動きになっており、リスク回避のドル売り・円買い圧力が強まりやすい。日本銀行が公表する10月の金融政策決定会合の主な意見でタカ派的な主張が多ければ、さらなる円高要因になる。

◎三菱UFJモルガン・スタンレー証券の龍翔太為替ストラテジスト

  • 外国人投資家が日本株を積極的に買ってきたことにより、日本株とドル・円相場が連動しやすくなっており、当面は株安を受けたドルの下落リスクを意識した方が良い
  • 外国人にとって日本株が上昇するとヘッジ比率が低下するため、追加的に円を売る必要が高まる一方、日本株が下落するとヘッジ比率が上昇し、円を買い戻す動きが出やすい
  • 根本的な円安基調は変わってないとみるが、いったん調整局面に入ってもおかしくなく、155円越えのハードルはかなり高まった
  • 予想レンジは1ドル=151円50銭-155円

◎みずほ銀行国際為替部の長谷川久悟マーケット・エコノミスト

  • 日銀の10月金融政策決定会合の主な意見はタカ派的と受け止められる可能性が高く、円買い・ドル売り圧力が強まるだろう
  • 植田和男総裁の10月の金融政策決定会合後の会見はハト派と受け止められたが、これまでもハト派的だった総裁会見後に公表された主な意見がタカ派的だったことが多く、今回もそのパターンを踏襲するだろう
  • 日本の当局による円安けん制もあり、155円はいったん遠のいた
  • 予想レンジは1ドル=152-154円

主な予定

  • 10日:日銀の金融政策決定会合における主な意見(10月29・30日分)
  • 10日:日銀の中川順子審議委員が岡山市で講演
  • 11日:米債券市場が休場(ベテランズデー)
  • 13日:米消費者物価指数(CPI)(10月)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.