米投資会社ダブルライン・キャピタルが、債券投資家は人工知能(AI)ブームに関連した資金提供に慎重に対応すべきだと警告した。

同社グローバル・デベロップトクレジット部門のディレクター、ロバート・コーエン氏は、「テクノロジーセクターだけでなく、これら新規プロジェクトを支える周辺の関連セクターにも警戒が必要だ」と発言。「音楽が止まった時、どんな波及が起きるかは誰にも分からない」と語った。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のポッドキャスト「クレジット・エッジ」で指摘した。

AIに投資するテクノロジー企業による相次ぐ資金調達が、プライベートデット市場や社債市場を席巻している。米グーグルの親会社アルファベットは今週、米国で175億ドル(約2兆6800億円)、欧州でも65億ユーロ(約1兆1500億円)相当の社債を発行した。

またメタ・プラットフォームズは先週、300億ドルを調達。それに先立ち、ルイジアナ州のメタ関連プロジェクトに向け、プライベート市場で270億ドル規模のプライベート取引を実施した。オラクルも9月に180億ドルの規模の社債を発行している。

コーエン氏は、オフバランスの資金調達のような新たな仕組みに加え、こうした大規模プロジェクトが利益を生むかどうかは誰にも分からないといった点に言及。過剰な設備が損失を招く恐れがあるとし、電力や化学などの業種で関連企業に問題が生じる可能性があると示唆した。

「いずれこれらのプロジェクトが採算の取れることを証明する必要がある」と指摘し、「大半がそうではないと分かれば、深刻な反応が生じるだろう」と警告した。

原題:DoubleLine’s Cohen Sounds the Alarm on AI-Debt Funding Frenzy(抜粋)

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