(ブルームバーグ):11月第2週(10-14日)の債券相場は、長期金利に上昇(価格は下落)圧力がかかりそうだ。日本銀行の利上げに向けた情報発信のほか、30年や5年の利付国債入札に対する警戒感から売りが膨らみやすい。
市場参加者の見方
◎三菱UFJアセットマネジメントの小口正之エグゼクティブ・ファンドマネジャー
- 債券相場は上値の重い展開となり、長期金利に上昇圧力がかかりそうだ
- 日銀決定会合の主な意見(10月29、30日分)は、植田和男総裁が議論の詳細は主な意見を見るよう会見で述べており、利上げを巡る強気の発言が増えたかどうかが注目される
- 30年債入札は5日の10年債入札が弱かったことから慎重にみている。10月後半からのフラット(平たん)化の反動や年金のリバランス(資産配分の見直し)買いの一服で強い需要が見込みにくい
- 5年債入札は無難とみているが、30年債入札が不調となれば警戒感が出る。入札をこなして金利低下が進むとはみていない
- 新発10年債利回り予想レンジ1.64-1.73%
◎みずほ証券の大森翔央輝チーフ・デスク・ストラテジスト
- 日銀の利上げに向けた情報発信や国債入札への警戒感から長期金利は上昇基調と予想
- 日銀の中川順子審議委員は過去の発言からデータ重視の中庸的スタンスとされるが、講演で中立金利への接近やサービス価格の粘着が強調される場合、短中期債主導のフラット化となる可能性がある
- 30年債入札は、利回り水準が移動平均対比でやや割高にある現状を踏まえれば、入札直前に1-2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)程度のコンセッション(利回りのじり高)が生じる蓋然(がいぜん)性が高い
- 新発10年債利回り予想レンジ1.6-1.74%
国債入札
日銀買い入れ
主な材料
- 10日:日銀が金融政策決定会合における主な意見(10月29・30日分)
- 10日:中川日銀審議委員が講演
- 13日:日銀、10月の企業物価指数
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