今年のグローバル債券発行額が、過去最高の5兆9400億ドル(約915兆円)に達し、2024年の記録を早くも塗り替えた。ブルームバーグの集計データで明らかになった。

緩和局面に入った金融情勢の下で、人工知能(AI)関連プロジェクトや勢いが戻った合併・買収(M&A)の資金需要を受け、企業が借り入れを活発化させたことも背景にある。

ウォール街は、過去10年余りで最も活況な11月に備えており、年末まで1カ月余りを残す段階で発行額の記録が更新された。

債券発行は金融機関が中心で、急増する財政赤字のファイナンスで各国政府のソブリン債発行も増えた。グーグルの親会社アルファベットやメタ・プラットフォームズによる大型発行が最近相次ぎ、通信セクターの発行額は前年比約66%急増した。

グローバル信用リスク指標は07年以降で最も低い水準近くで推移し、大量発行に弾みがついた格好だが、社債スプレッド(国債に対する上乗せ利回り)は拡大しつつある。それでも需要は発行される債券を上回り、投資家の年初来のトータルリターンは約7.5%と過去5年で最も高い。

レバレッジドファイナンスの専門家、フォックス・リーガル・トレーニングのサブリナ・フォックス氏は「クレジットと柔軟性、負債管理の需要はこれまでになく旺盛だ。全てが同時進行し、市場は完璧に価格設定されている」と指摘した。

ゴールドマン・サックス・グループの投資適格シンジケート責任者ジョン・セイルズ氏はインタビューで、「設備投資の大部分が社債で賄われると想定するのは全く合理的だ」と述べ、米連邦準備制度が利下げに動き、スプレッドが低い現状で、バランスシートが健全な巨大テック企業は、レバレッジを活用する余地があると分析した。

原題:Global Bond Binge Lifts Sales to Record $5.94 Trillion This Year(抜粋)

(専門家の見解を追加して更新します)

--取材協力:Brian W Smith、Finbarr Flynn、Greg Ritchie.

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