(ブルームバーグ):スポーツベッティング大手、米ドラフトキングスのジェイソン・ロビンズ最高経営責任者(CEO)は、政治・経済・エンターテインメントなどの分野の出来事を予想対象とする予測市場には「巨大な成長機会」があると述べた。その上で、この新興ビジネスはスポーツ賭博の顧客を奪うものではなく、新たな顧客層の開拓につながるとの見方を示した。
ロビンズ氏によると、スポーツベッティングが盛んな英国でも、取引所方式の賭けは市場全体の約5%にとどまっているという。ドラフトキングスは今後、米国で独自の予測市場型プロダクトを展開する計画で、オンラインによるスポーツベッティングが合法化されていない州を主な対象にする方針だ。
ロビンズ氏は7日のブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「新規事業と既存事業の食い合いは大きな懸念ではない。実際にそのような現象は見られていない」と語った。
同社が6日発表した7-9月(第3四半期)の売上高とユーザー数は米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)シーズン開幕時点のアナリスト予想を下回った。また同社は通期見通しを引き下げた。
7-9月期の売上高は11億4000万ドル(約1750億円)。市場予想は12億2000万ドルだった。調整後EBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前損益)は1億2600万ドルの赤字と、アナリスト予想(7780万ドルの赤字)を上回る損失となった。月間有料利用者数は360万人と、予想の390万人に届かなかった。
ドラフトキングスは通期売上高見通しを従来の62億-64億ドルから59億-61億ドルに下方修正。調整後EBITDA見通しも4億5000万-5億5000万ドルと、8億-9億ドルから引き下げた。
ロビンズ氏は予想を下回った業績について、試合結果が利用者に有利に働いたためだとし、「一時的なものであり、事業基盤の健全性とは関係ない」と説明した。
同社は6日、ウォルト・ディズニー傘下のスポーツ専門ネットワークESPNと、スポーツベッティングのパートナーとして、複数年契約を締結したと発表した。契約は12月1日に発効する。これまでのカジノ運営会社ペン・エンターテインメントとの提携に代わるものとなる。

原題:DraftKings Sees ‘Incremental Opportunity’ From Predictions Bets(抜粋)
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