米スターバックスの労働組合に加盟するバリスタは、来週の繁忙日「レッドカップデー」に合わせてストライキを実施する準備を進めている。労働協約を確立させる狙いがある。数年にわたり断続的に行われてきた労使間の交渉は難航している。

全米の直営店約1万店のうち約550店の従業員を代表する労組スターバックス・ワーカーズ・ユナイテッドは、要求が受け入れられない場合、いつでもストを指示できる権限を指導部に付与することが決議されたと明らかにした。同組合は、11月13日に25余りの都市でストを実施する予定だ。

この日は毎年恒例のホリデー用カップ配布日(レッドカップデー)で、これまでも同日に合わせたストが行われていた。組合側は、スターバックスが公正な交渉を拒んでいると批判しており、契約締結や法的争いの解決に進展がなければストを拡大するとしている。

シカゴのスターバックス店舗前でピケを張る労働者(2024年12月20日)

フィラデルフィアのバリスタで組合側の交渉団の一員であるシルビア・ボールドウィン氏は「これまでで最大規模のストを行う準備ができている。会社側がそれを回避したいなら、今すぐ合意できる」と述べた。

5日の米株式市場でスターバックス株は4.1%高で終了。年初来では9.2%下落している。S&P500種株価指数が15%余り上げているのとは対照的だ。

スターバックスの広報担当ジャシ・アンダーソン氏は電子メールで送付した発表文で、「ワーカーズ・ユナイテッドは当社パートナーの4%前後を代表しているに過ぎないが、交渉に戻るのではなく、ストを行う権限が組合員投票で認められたことは残念だ。交渉に戻る準備ができれば、われわれはいつでも話し合いに応じる」とコメントした。

スターバックスは、組合側の提案は財務的に持続不可能だと主張しており、同社はすでに「小売業で最高の職場」を提供していると説明している。バリスタの平均時給は19ドル(約2900円)余りで、諸手当を含めると時給換算で30ドルを超えるという。

スターバックスの変化をバリスタは受け入れているとCEOは語る

組合によると、今回のストは終了時期を定めない無期限型で、従来より規模も期間も拡大する可能性がある。すでに数万人の支持者がスト中にスターバックスを利用しないと約束しており、数千人のバリスタがスト権投票に参加。92%が賛成票を投じたという。

閉鎖されたスターバックス店舗(ワシントン州シアトル、9月26日)

ニューヨーク州バファローのバリスタで組合リーダーのジャスミン・レリ氏は「今回の行動の違いは無期限であることで、必要ならさらにエスカレートさせる覚悟がある」と語った。

スターバックスは「労組の計画にかかわらず、北米の直営約1万店とライセンス店舗約7000店の大多数はホリデーシーズン中も顧客にサービスを提供する準備が整っている」としている。

原題:Fed-Up US Starbucks Baristas Set for ‘Biggest Strike’ Ever (1)(抜粋)

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