(ブルームバーグ):米マクドナルドの7-9月(第3四半期)決算では、米国での売上高が市場予想を上回る伸びを示した。消費者が価格がやや高めのファストカジュアルチェーンから離れ、より安価なファストフードを選ぶ傾向が強まったことが追い風となった。
米国の既存店売上高は7-9月に2.4%増加。この伸びについて同社は、主として顧客による来店1回当たりの支出が増えたことが背景にあると説明した。世界全体の既存店売上高は予想と一致。一方、調整後の1株利益はブルームバーグがまとめた市場予想の平均を下回った。
マクドナルドは、手頃な価格で食事ができる外食先としての評価を取り戻すべく、割安メニューや販促キャンペーンを打ち出してきた。8月には一部商品を値下げしたほか、ソーセージビスケットやダブルチーズバーガーなどを対象に「1つ購入すると、もう1つを1ドルで追加できる」サービスを実施。外食全体の消費がやや伸び悩む中でも、こうした取り組みは一定の成果を上げているようだ。
ファストフード業界は、カバ・グループやチポトレ・メキシカン・グリルといったファストカジュアル業態より堅調だ。両チェーンとも、より高品質な食材を利用し、やや高めの価格で商品を提供して成長してきたが、中所得層や若年層が支出を控える中で売り上げ目標を引き下げた。
チポトレのスコット・ボートライト最高経営責任者(CEO)は先週のアナリスト向け説明会で、「消費減速が当社の事業に有意な影響を及ぼしている」と指摘。20代後半から30代前半の顧客層について、失業、学生ローン返済の増加、実質賃金の伸び鈍化など複数の逆風に直面しており、「特に厳しい状況にある」と述べていた。
またカバは4日、政府閉鎖により職員が給与を受け取れない状況が続く中、ワシントンの店舗が打撃を受けていると説明した。
一方で、こうした要因はファストフード業界にはあまり影響していない。大手はこの1年間、販促活動を優先しており、バーガーキングを傘下に持つレストラン・ブランズ・インターナショナルとタコベルの親会社ヤム・ブランズはいずれも、既存店売上高が市場予想を上回った。
ファストフード各社は、米国より好調な国外事業からも恩恵を受けている。マクドナルドの場合、全店舗の約7割を占める2つの国外部門の売上高成長率が、7-9月に米国部門を上回った。同様に、レストラン・ブランズの国外部門の売上高成長率は前四半期に6.5%となり、米国・カナダでのバーガーキング(3.1%)を上回った。
マクドナルドは、国外事業で売り上げが増加したと発表。特にドイツとオーストラリア、日本で伸びた。
原題:McDonald’s US Growth Beats as Value Draws Strapped Diners (1)(抜粋)
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