任天堂株が午前の取引で一時前日比10%高の1万4265円と、9月12日以来の日中高値を付けた。前日、今期(2026年3月期)の家庭用ゲーム機「スイッチ2」のハード販売計画を1500万台から1900万台に引き上げたことなどが好感された。

午前の日経平均株価の終値は、同4.7%安の4万9073.58円と大幅安だった。

同社によると、9月末までの累計販売は約4カ月間で1000万台超となり、実績も見通しも堅調だった。スイッチ2の販売が順調に伸びていることを背景に、今期の営業利益予想も3200億円から3700億円に上方修正した。ただ、市場予想(3996億円)には届かなかった。

決算見通しに対して、市場では肯定的な見解が優勢だ。ジェフリーズ証券アナリストのアツール・ゴヤール氏は英文リポートで、スイッチ2の勢いは依然として歴史的レベルで、世界的な需要下でも供給体制を拡大し高い販売率を維持するオペレーション能力を発揮したと評価した。

一方、SMBC日興証券アナリストの前田栄二氏はリポートで、7-9月期の営業利益は市場予想を上回った一方、通期営業利益計画は同証予想(4160億円)などを下回る水準で「ともにサプライズとまでは言えない印象」だと言及した。

任天堂は5日、経営方針説明会を開き、9月末時点のニンテンドーアカウントは前年の3億6600万から増えて4億になったと発表した。半面、有料サービス加入者数は3400万で横ばいだった。スイッチ2購入者の84%が初代スイッチからの移行であることが一因になったとみられる。

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