ニデックの株価が続伸、一時前日比5%高の2065円を付けた。4日に主要取引銀行の三菱UFJ銀行と三井住友銀行との間で、総額6000億円のコミットメントライン契約を締結したと発表した。

発表によると、締結の目的は機動的かつ安定的な資金調達手段を確保し、財務基盤の強化を図るためで、借入極度額はそれぞれ3000億円としている。いずれも無担保・無保証で、契約期間は7日から2026年11月6日までの1年間。販売・供給、生産、サービスなどの取引活動にも支障はないことも記した。

シティグループ証券の内藤貴之アナリストはリポートで、同コミットメントラインは既存の借入枠とは独立して設定されているとみられるとし、ニデックの流動性に関する懸念を払拭するだろうと指摘した。

ニデックは4日、内部管理体制の強化策を検討する「ニデック再生委員会」を10月30日付で設置したことも併せて発表した。

ニデックは不適切会計の疑いで第三者委員会の調査を受けているほか、監査法人のPwCジャパンから前期(25年3月期)の有価証券報告書について意見不表明とされたことなどを受け、東京証券取引所から28日付で特別注意銘柄に指定された。一連の発表は市場を安心させる材料で、株価の下落に一定の歯止めをかけた形となる。

(株価を追加しました)

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