(ブルームバーグ):バンス米副大統領は30日、連邦政府機関の一部閉鎖が長期化すれば繁忙期となる年末の移動シーズンに深刻な混乱を招く恐れがあると述べた。トランプ政権は予算案を巡り民主党への圧力を強めようとしている。
バンス氏はホワイトハウスで航空業界幹部と協議後に発言した。会合にはユナイテッド・エアラインズ・ホールディングスのスコット・カービー最高経営責任者(CEO)、アメリカン航空グループのロバート・アイソムCEO、ダフィー運輸長官、業界団体エアラインズ・フォー・アメリカ(A4A)CEOで前ニューハンプシャー州知事のクリス・スヌヌ氏らが出席した。
バンス氏は記者団に対し、政府閉鎖が感謝祭の移動シーズンまで続けば、「大惨事になりかねない」と発言。ダフィー氏も、11月は10月より飛行機の利用が多く、混乱がさらに深まる恐れがあると強調した。
政府閉鎖が経済に打撃を与えているとカービー氏が記者団に語った後、ユナイテッドの株価は一時3.7%下落。アメリカン航空も一時2.1%下げた。
航空業界には政府閉鎖の影響が色濃く表れている。閉鎖は1カ月近くに及び、人員不足による混乱が顕著になっている。30日にはダラス・フォートワースやワシントン周辺の空港で、人員不足により到着便に遅れが出た。ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港では午後8時過ぎ、管制官不足を理由に約1時間半にわたって出発停止措置が取られた。同空港で人員不足の影響が出たのは初めて。
今回の政府閉鎖では、1万3000人超の航空管制官と5万人の米運輸保安局(TSA)職員が無給で勤務を続けている。給与の支払いが滞る中、保育費や通勤費など日々の生活に必要な費用の確保に多くの職員が苦慮しており、出勤を控える職員も出ている。
過去の閉鎖では、閉鎖期間が長引き、給与の延滞が増えるほど、病欠が増える傾向があった。こうした欠勤により、保安検査場での待ち時間が長くなり、運航便にも遅れが生じる。
原題:United, American CEOs Meet Vance as Shutdown Strains Travel (2)(抜粋)
--取材協力:Lucia Kassai、Danny Lee.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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