(ブルームバーグ):米自動車大手フォード・モーターは、約325億ルピー(約570億円)をインドに投資し、新型エンジンを生産する計画だ。事情に詳しい関係者が明らかにした。フォードが4年前に閉鎖した工場の再稼働を図る動きだ。
南部タミルナド州マライマライナガルにある製造拠点は、輸出向けの高性能エンジンを年20万台余り生産できる体制に再整備される見通し。エンジンは米国には輸出されないが、出荷先となる国名は不明。正式発表は今週中にも行われる見込みだと、関係者は述べた。
フォードは1年前にインドでの現地生産再開への関心を示しており、数カ月にわたって投資準備を進めてきた。トランプ米大統領は今年、インドからの輸入品に50%の関税を課し、同国のロシア産原油購入を批判するなど、両国関係に緊張が高まっている。
一方、トランプ氏は自動車産業を中心に米国内での製造拡大を主要政策目標として掲げており、今回のフォードの動きはその方針に逆行する形となる。トランプ氏は政権1期目にフォードの国外での生産拡大計画を批判したが、最近では米国内工場への大型投資を発表した同社を評価していた。
フォードはコメントを控えている。
今回の決定は、ジム・ファーリー最高経営責任者(CEO)が製造拠点としてのインドをあらためて評価していることを反映している。
フォードが工場の再稼働を計画するタミルナド州は、インドでも有数の工業州であり、自動車産業の拠点として知られる。現地には現代自動車、ルノー、BMWなどの製造拠点が立地している。
原題:Ford to Invest $370 Million in India Defying Trump’s Local Push(抜粋)
--取材協力:Keith Naughton.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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