(ブルームバーグ):米アップルは、中国での予想外の売上高減少を供給混乱による一時的な影響とし、最新スマートフォン「iPhone17」シリーズの好調を背景に今後は世界最大のスマートフォン市場である同国で成長軌道に戻るとの見通しを示した。
30日の発表によれば、中国での売上高は7-9月(第4四半期)に前年同期比で4%近く減少し145億ドル(約2兆2300億円)だった。市場予想の164億ドルを大きく下回った。それでもティム・クック最高経営責任者(CEO)は、中国市場とiPhone17の販売動向について自信を示した。
クック氏はアナリストとの電話会見で「今回の結果は基本的に供給制約が要因だ」と述べ、「現在の販売状況には非常に満足している」と強調した。

電話会見では、中国は主な話題となり、アナリストから質問が相次いだ。中国政府と現地企業は補助金や割引を拡大して消費喚起を図ってきたものの、個人消費は伸び悩んでいた。また、世界の技術サプライチェーンが中国からの分散化を図る中長期的決定で流動化する中、関税引き上げの脅威も供給網を混乱させている。
しかし、9月に発売されたiPhone17とiPhone17 Proは順調な滑り出しとなっており、スマートフォン市場は回復の兆しを見せている。調査会社カウンターポイント・リサーチによると、10月最初の2週間の中国販売は前年同期比29%増加した。
アップルは近年、華為技術(ファーウェイ)など中国メーカーとの競争激化に直面してきたが、改良・再設計されたiPhone17シリーズを投入して消費者を再び店舗に引き寄せている。新型のiPhone17 Airが今四半期の需要をさらに押し上げる可能性もある。
クック氏によると、中国国内店舗の来店者数は大幅に増加しており、最新機種が好評を得ている。アップルは10-12月(第1四半期)の全体の売上高が10-12%増加すると見込む。中国がこの伸びにどの程度寄与するかは同氏は明言しなかったが、中国でのサービス収入は7-9月期として過去最高を記録したとし、iPhoneの販売も非常に好調と述べた。
カウンターポイントのアナリスト、アイバン・ラム氏は「アップルに追い風となる要素は多い。中秋節が10月にずれ込み、ネット通販で11月11日の『独身の日』商戦が前倒しされたほか、新型コロナウイルス禍後の買い替え需要もある。まさに好条件がそろった状況だ」と分析した。
原題:Apple Predicts Return to Growth After Surprise China Sales Drop(抜粋)
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