投資会社バークシャー・ハサウェイを創業した著名投資家のウォーレン・バフェット氏は、株主に宛てる年次書簡の執筆を来年2月から取りやめ、後継者のグレッグ・アベル副会長に引き継ぐと、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。

バフェット氏(95)はただ、自身の子どもたちと株主に宛てた感謝祭の書簡を11月10日に公表する予定だと、WSJはバフェット氏のアシスタントの話として伝えた。

同氏は年末をもってバークシャーの最高経営責任者(CEO)を退任し、60年にわたって築き上げ率いてきた同社の経営をアベル氏(63)に託す計画だ。会長職にはなおとどまる方針。

バフェット氏はまた、毎年5月にオマハで開かれる年次総会でも2026年からは登壇しない意向だと、オマハ・ワールド・ヘラルド紙が5月に報じている。代わりにアベル氏が質疑に応じるという。

バフェット氏は近年、公の場に出る機会を減らし、インタビューにもほとんど応じていなかったが、これまで例年、バークシャーの決算発表と合わせて株主宛ての年次書簡を発表し続けてきた。

書簡は世界中の熱心な支持者にとって必読の内容であり、投資哲学や人生訓をユーモアを交えてつづり、巨額の資産を持ちながらも親しみやすい人物像を築く一助となってきた。

ハドソン・バリュー・パートナーズのクリストファー・デイビス氏は「バフェット氏の年次書簡を受け取ることは、投資家である私にとってクリスマスの朝のようだった」とブルームバーグに語った。そのうえで、「今後はアベル氏が書簡やオマハの舞台を通じて語るようになる。バークシャー株主体験は新たな段階に入る」と述べた。

原題:Buffett Hands Off Annual Letter to Successor Abel, WSJ Reports(抜粋)

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