米アップルは30日、スマートフォン「iPhone」の新モデル投入で年末商戦に大幅な販売増を見込んでいることを明らかにした。消費者の支持が依然として強いことを投資家に印象づけた格好だ。

ケバン・パレク最高財務責任者(CFO)はアナリストとの電話会見で、10-12月(第1四半期)の売上高が10-12%増加するとの見通しを示した。アナリスト予想平均では約6%増と見込まれていた。

パレクCFOは「iPhoneの売上高は前年比で2桁増となり、これまでで最も好調な四半期になると見込んでいる」と述べた。アップルが貿易摩擦や低調な中国販売、人工知能(AI)機能開発の遅れを含むグローバルな課題を切り抜けつつあることを示唆した。

アップルは9月に新型スマホ「iPhone17」シリーズを発売。デザインを刷新するとともに、新たに超薄型モデル「Air」を投入した。iPhoneシリーズは依然として同社最大の収益源で、売上高全体の約半分を占める。

決算発表後の時間外取引でアップルの株価は4%強上昇した。

発表資料によると、7-9月(第4四半期)の売上高は7.9%増の1025億ドル(約16兆円)と、市場予想平均の1022億ドルをわずかに上回った。1株利益は1.85ドルで、市場予想平均は1.77ドルだった。

中国販売は鈍化したものの、サービス事業の予想を上回る成長が業績を押し上げた。パソコン「Mac」とウエアラブル部門も予想より好調だった。

アップルのティム・クックCEO

同四半期の関税による費用増は11億ドルで、アップルの想定の範囲内だった。10-12月期には14億ドルの関税コストを見込む。営業費用は181億-185億ドルの範囲になる見通し。

一方、中国本土を含む大中華圏での7-9月期売上高は3.6%減の145億ドルと、アナリスト予想の164億ドルを大きく下回った。同社は現地スマートフォンメーカーとの競争激化に直面し、中国でのAI機能提供に苦戦している。それでもティム・クック最高経営責任者(CEO)は、今四半期中に同地域で成長軌道に戻る見込みだと述べた。

iPhoneの7-9月期売上高は6.1%増の490億ドル。新モデルの投入が寄与した。ただ、アナリスト予想の493億ドルにはわずかに届かなかった。同社は供給制約に直面したとし、成長が抑制された可能性があると説明した。

サービス部門は同社で引き続き最も急成長分野となっており、同四半期の売上高は15%増の288億ドルに上った。アナリスト予想は282億ドルだった。

Macの売上高は13%増の87億3000万ドルと、市場予想の86億ドルを上回った。タブレット「iPad」事業では、3月に低価格機種と「iPad Air」の新モデルを投入し、今月には「iPad Pro」を更新した。売上高は前年並みの69億5000万ドルとなった。

ワイヤレスイヤホン「AirPods」やスマートウオッチ、テレビ用セットトップボックス、スマートスピーカー「HomePod」などを含むウエアラブル・ホーム・アクセサリー部門の売上高は90億1000万ドルと、1%未満の減少にとどまった。アナリストの間ではより大幅な落ち込みが懸念されていた。

原題:Apple Sees Blockbuster Holiday Season, Lifted by New iPhones (1)(抜粋)

(業績の詳細を追加して更新します)

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