欧州中央銀行(ECB)は30日、独自の中銀デジタル通貨(CBDC)「デジタルユーロ」を2029年にも発行する可能性があると発表した。実現すれば、日米欧の主要中銀で初のCBDCとなる。

ECBの発表資料によれば、ユーロ圏各国政府と欧州議会が来年中に法的枠組みに同意することを前提に実用化に向けた運用試験の27年開始を目指す。

デジタル分野での通貨主権を巡る覇権争いもECBの決定の背景にある。ECBは2年間進めてきた準備段階の今月完了に伴い、CBDCプロジェクトの次の段階への移行を決めた。

ECBは小売り決済で米Visaやマスターカード、PayPalへの依存を減らすため、紙幣や硬貨に代わる電子通貨の導入を推進してきた。法定通貨を担保とする仕組みなどを通じて、価格安定を目的に設計された暗号資産(仮想通貨)ステーブルコインがトランプ米大統領の後押しもあって急成長しており、こうした状況もECBの動きを促した。

原題:Digital Euro Pilot Phase Could Start as Soon as 2027, ECB Says(抜粋)

(小売り決済での米社への依存低減の狙いなどを追加して更新します)

--取材協力:Alexander Weber、Mark Schroers.

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