問われる政府と日銀の連携 高市総理発言の真意は?

ーー10月の金融政策決定会合を控えていますが、日銀の利上げの判断を本田さんはどうご覧になっていますか?
最終的には政策決定会合で審議委員と総裁副総裁がお決めになることですが、日銀法は3条と4条の構造があって、3条は日銀は独立してこの業務を行うと書いてあり、4条は日銀と政府は連携して仕事をしなさいと書いてあります。
私がみる限り高市さんはやっぱり4条を重視するんです。日銀がもちろん独立して金利を決めますが、運営にあたっては政府と密に連携をとってくださいと。
例えば安倍総理は、黒田前総裁と定期的に非公式ランチをとっておられたんです。それぞれ経済認識を意見交換して、認識を共有できるようにいつも努力されていました。ところが岸田さん、石破さんがやった形跡があまりないような気がするんです。だからぜひ高市さんには復活してほしいです。
場合によっては政府サイドは財務大臣がいいのかもしれません。片山さつきさんは優秀な方なので、総理がやられるのがいいのか、財務大臣がやられるのがいいのかは別として、やっぱり政府と中央銀行は、連絡を密にするということが必要だと思います。
その点から考えると、日銀の次の政策決定会合はもうすぐです。(※10月の金融政策決定会合は29日・30日に実施)外交日程も詰まっていますので今回はコミュニケーションをとる時間がないのかなと。そうすると次の利上げっていうのはいつかというと、可能性があるのは12月ということになりますよね。12月に上げた方がいいという意味ではなく、あるとしたら12月が最初の可能性かなということです。

ーー高市さんの「政府も金融政策の責任を持つ」との発言はどう解釈したらいいでしょうか?
真意は私もよくわかりませんが、筋論を言えば、日銀は一体何をするところなのか、その目的は政府が設定します。日本銀行は物価安定目標を達成する。それを決めるのは政府です。政府は財政政策もやっていますので、財政政策と金融政策の究極的な目的は整合的でないといけないですよね。
でも、例えば2%の物価安定目標を達成するには色々なやり方があります。どのやり方をとるかは完全に日本銀行に任されていて、日本銀行が責任を持って実行すべき話です。だからこそ経済財政諮問会議で日銀総裁がいらっしゃって報告するんです。だから起こったことすべてが、政府が責任を持つという意味ではないと思うんです。そこはちゃんと役割分担があって目的の設定とその目的達成の手段の自由と、それは違うものだということだなと思います