米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズはエヌビディアの技術を取り入れた自動運転車10万台の保有を最終的に目指す目標を掲げた。ロボタクシーのコスト削減につながる可能性がある。

両社の28日の発表によると、この事業拡張は2027年の開始を予定している。今回の発表は両社が1月に発表した提携関係を踏まえたものだ。ウーバーは当時、自社の走行データの一部をエヌビディアに提供し、自動運転車向けの人工知能(AI)モデルや半導体技術の改良に協力することに合意していた。

エヌビディアはこの日、米首都ワシントンで開催した自社会議「GTC」で、新たな技術プラットフォーム「Nvidia Drive AGX Hyperion 10」を発表した。これはメーカー各社が、自動運転対応ソフトウエアと互換性のあるハードウエアやセンサーを車両に搭載できるようにするものだ。

エヌビディアの会議で基調講演を行うジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)(ワシントン、10月28日)

こうした協業の一環として、ステランティスがウーバーの米国内外の事業向けにエヌビディア製品搭載ロボタクシー少なくとも5000台を最初に供給する自動車メーカーの1社となる。ウーバーは遠隔支援、充電、清掃、整備、カスタマーサポートなど、車両運用を一元的に管理する。ウーバーが別の声明で発表した。

ステランティスの別の発表文によると、台湾の鴻海精密工業(フォックスコン・テクノロジー・グループ)と協力してハードウエアおよびシステム統合を進める。生産開始は28年を予定しており、ウーバーとの初期運用は米国で開始される見込みだ。今後数年をかけて実証実験やテストを拡大していくという。

こうした取り組みにより、ウーバーは自社プラットフォーム上でロボタクシーを順次増やすことができ、自動運転技術を運用・商業化する際のコスト改善につなげられると考えられる。既に十数社の自動運転開発企業と提携し、その一部に出資を表明している。同社は、ロボタクシーと人間のドライバーが補完し合う未来を見据えている。

ウーバーの株価は一時1.4%上昇したものの、上げ幅を消して1%安で取引を終えた。

原題:Uber Eyes 100,000 Nvidia-Based Robotaxis Starting in 2027 (2)(抜粋)

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