韓国の特別検察官は13日、2024年に非常戒厳を宣布し、内乱を首謀した罪に問われた尹錫悦前大統領に対し、死刑を求刑した。

ソウル中央地裁で開かれた論告求刑公判で、特別検察官は尹氏の行為が「反国家勢力による重大な憲法破壊行為」に当たると主張した。判決は2月に言い渡される見通しだ。

尹氏は、文民統治を一時停止して国内外に衝撃を与え、その約2カ月後の昨年に起訴された。非常戒厳の宣布は韓国の憲法秩序をここ数十年で最も大きく揺るがす事態となり、最終的に尹氏の弾劾につながった。現職大統領の逮捕・起訴は韓国史上初めて。

特別検察官は尹氏が国会を封鎖する目的で兵士を国会に送り込んだとみている。この試みは失敗し、国会は非常戒厳の解除を求める決議案を速やかに可決した。

尹氏は、政権運営のまひをもくろむ北朝鮮の同調者に対抗するための苦渋の決断だったと主張し、起訴内容を否認している。

韓国では大統領を務めた多くの人物が退任後に訴追され、収監されてきたが、死刑または無期懲役、無期禁錮が科される可能性が出ているのは、ここ数十年で尹氏が初めてだ。

1996年には、80年に約200人の反政府デモ参加者が死亡した弾圧に関与したとして、全斗煥元大統領に死刑判決が言い渡されたが、その後、無期懲役に減刑された。

韓国の法律は、内乱首謀罪の刑罰を死刑か無期懲役、無期禁錮に限定している。ただ仮に尹氏に死刑判決が言い渡されても、象徴的なものにとどまる可能性が高い。韓国では1997年以降、死刑が執行されていない。

原題:Prosecutors Seek Death Penalty for Korea’s Yoon Over Martial Law(抜粋)

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