(ブルームバーグ):ブラジルのファバロ農相は27日、日本によるブラジル産牛肉の輸入解禁が「実現間近」だと明らかにした。米国の牛肉輸出へのさらなる打撃となる可能性がある。
ファバロ氏はマレーシアでブルームバーグ・ニュースの取材に応じ、「進展は速い。25年以上も棚上げされてきた案件が、今や実現間近にあり、残るのはわずかな詳細の調整のみだ」と語った。
同氏によると、日本市場は収益性が高い一方、非常に厳格な基準が求められる。主な条件の一つは、ブラジルが口蹄疫ワクチン接種なしで清浄国と認定されることだったが、この認定は今年に入り取得済みという。
ファバロ氏は、現在は衛生手順の最終段階にあり、「手続きが完了すれば市場は開かれる」と説明し、年内の実現を見込んでいると述べた。
ブラジルは世界最大の牛肉輸出国。日本は米国とオーストラリアから牛肉を輸入しているが、今回の合意が実現すれば、ブラジル産牛肉への新たな需要が生まれる。一方で、トランプ政権がブラジルに課した50%の関税により、米国向け輸出は減少している。
深刻な牛不足に直面している米国にとって、ブラジルへの日本市場開放は大きな脅威となり得る。米国では生体牛先物が過去最高値に上昇し、食肉加工業者の利益が数十億ドル規模で吹き飛んでいる。
ブラジルのルラ大統領は日本市場へのアクセス交渉に直接関与しており、3月の訪日時には「ブラジルは準備が整っている」と述べていた。
ブラジルの食肉大手JBSのジルベルト・トマゾニ最高経営責任者(CEO)は27日、サンパウロでの会議の傍らで「日本はプレミアム市場で、特選部位を輸出できる点でブラジルにとって大きな追い風になる」と話した上で、日本の消費者は高品質を求め、商業関係の構築には時間を要するとの見方も示した。
原題:Japan Close to Opening Market to Brazilian Beef, Minister Says(抜粋)
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