(ブルームバーグ):ベネズエラの政治家でマドゥロ大統領の側近であるルイス・ラッティ氏は、ノーベル平和賞を今月受賞した野党指導者マリア・コリーナ・マチャド氏と、昨年の大統領選の野党統一候補エドムンド・ゴンサレス氏の国籍を剝奪するよう最高裁判所に求めている。
2023年にマチャド氏の公職就任を禁止する手続きを主導したラッティ氏は今回、マチャド氏とゴンサレス氏に加え、少なくとも20人の野党政治家や記者についても「愛国心がない」との理由で国籍剝奪を求めた。

この動きは、国際的な圧力が続く中でマドゥロ政権が反体制派への弾圧を一段と強める姿勢を示したものだ。特に米国はマドゥロ氏を権威主義的指導者だと位置づけ厳しい姿勢を取っており、トランプ米大統領は最近、麻薬密輸の疑いのある船舶への軍事行動をベネズエラ国内の目標にも拡大する可能性に言及した。
マチャド氏を除き、ラッティ氏のリストに掲載された人物の大部分は、すでに亡命生活を送っている。昨年の大統領選挙でマチャド氏に代わって立候補したゴンサレス氏も、24年9月からスペインに滞在している。ベネズエラは14年にマチャド氏のパスポートを没収しており、同氏は1年3カ月近くにわたり身を隠す生活を送っている。
マドゥロ氏も先週、スペインに亡命している野党指導者で元政治囚のレオポルド・ロペス氏について、「外国の軍事介入を呼びかけた」こととベネズエラに対する「経済封鎖を執拗(しつよう)に推進した」ことを理由に、最高裁判所に同様の国籍剝奪要求を行った。
裁判所はいずれの要求についてもまだ判断を下していないが、ベネズエラ憲法は生まれながらの国民の国籍剝奪を禁じており、これはマチャド氏やロペス氏にも適用される。
原題:Nobel Winner Should Lose Venezuela Citizenship, Maduro Ally Says(抜粋)
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