米アルミニウム生産最大手アルコアは22日、7-9月期(第3四半期)にカナダ産アルミへの米関税に伴うコストが前期比で6900万ドル(約105億円)増加したと明らかにした。ただ、米国のアルミ値上がりがその打撃を打ち消すのに寄与したという。

同社は、カナダの製錬所から輸入するアルミに対する関税の「正味のマイナスの影響」を巡り、米国内の価格上昇が十分補って余りある状況だと説明した。今年に入り減らしていたカナダから米国へのアルミの出荷を通常の水準に戻しつつあるという。

トランプ米大統領の通商措置の影響で、米国のアルミ価格は今年の大半の期間で他の国際市場に比べ急ピッチの上昇を見せている。米中西部に出荷されるアルミに対して指標価格に上乗せされるプレミアムは6月上旬以降、113%上昇した。

それでも同社の追加コストは、トランプ政権の通商措置がアルミ業界に影響を及ぼし続けていることを裏付けている。アルコアは、今四半期には関税コストがさらに5000万ドル増える見込みだとした。

アルコアのウィリアム・オプリンガー最高経営責任者(CEO)は、米アルミ価格上昇について、「在庫とアルミ輸入の減少を反映している」とこの日の決算説明会で述べた。

トランプ氏は3月にアルミ輸入に25%の関税を課し、6月にはその税率を2倍に引き上げた。同氏は、関税は米産業を保護し、生産を再活性化するために必要だとしている。

原題:Alcoa Says High US Aluminum Prices Offset Trump Tariff Costs (1)(抜粋)

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