(ブルームバーグ):米国で猛烈な寒波の到来が予想される中、米天然ガス先物がこの2日間で50%超上昇し、今週は30年余りで最大の上昇率となる見通しだ。
23日から嵐が到来する見込みで、テキサス州を深刻な冷え込みに陥らせ、続いてニューヨークやボストンに降雪をもたらす恐れがある。このためパイプライン内の水分が凍結してガス生産が混乱するリスクが高まっており、特にテキサス州では深刻な事態となりかねない。同州では2021年に極寒下でのガス供給停止がきっかけとなり、ガス火力発電所の停止や大規模停電が発生した。
民間予報会社コモディティ・ウェザー・グループによると、気象モデルは一晩で寒冷化の見通しを大幅に強め、東部を中心とする国土の3分の2で2月初旬まで厳しい寒さが続くと予測しており、暖房向けのエネルギー需要増加が示唆された。
気象情報サイト、アキュウェザーの主任気象学者、ジョナサン・ポーター氏は「今冬これまでで最も影響の大きい嵐になりつつある」と指摘した。
天然ガス先物2月限は21日、25%高の100万BTU(英国熱量単位)当たり4.875ドルで引け、期近物としては12月8日以来の高値となった。その後、引け直後の取引で一時5ドルを超えた。今週に入ってからの上昇率は57%に達している。先物取引所運営会社CMEグループによると、同社の天然ガス関連の先物・オプションは、1月20日に1日当たり250万枚超が売買され、過去最高を記録した。
「長く市場を見てきたが、こうした2日間の値動きは、あまり見たことがない」と、1995年から天然ガス先物市場に携わってきたバノックバーン・キャピタル・マーケッツのコモディティー担当マネジングディレクター、ダレル・フレッチャー氏は語った。
今週末には、主要なガス生産拠点を抱えているにもかかわらず寒冷地対策が不十分なインフラが多いテキサス州で厳しい寒さが予想されており、一時的な供給停止や海外向け出荷の減少につながる可能性がある。米国は世界最大の液化天然ガス(LNG)輸出国で、輸出ターミナル向け供給は国内ガス生産量の約17%を占めている。
期近の現物契約も急騰した。トレーダーによると、米先物の指標であるルイジアナ州のヘンリーハブの1月末までの現物価格は21日午前に100万BTU当たり11ドルを超え、20日の約7ドル、先週末の4ドル弱から急伸した。
トレーダーによれば、週末物の契約は一時100万BTU当たり18-19ドルまで上昇した。ヘンリーハブ価格の急騰は米LNG輸出の採算性を損なう可能性があるが、週末の高値が持続するかは不透明だ。
原題:Natural Gas Soars Again to Extend US Weekly Rally to Over 50%(抜粋)
--取材協力:Ruth Liao、Will Wade.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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