(ブルームバーグ):スイスの時計輸出が9月に減少した。トランプ米政権が同国からの輸入に39%の関税を課したことが響いた。米国はスイスの時計産業にとって最大の輸出先だ。

スイス時計協会が21日に発表した資料によると、時計の輸出額は前年同月比3.1%減の20億スイスフラン(約3800億円)となった。大半の市場では増加が見られたものの、米国向け輸出が56%急減した。
輸出の減少は2カ月連続。7月には、米国の関税発動を見越してメーカー各社が在庫積み増しを急いだため、輸出が一時的に急増していた。
リシュモン、スウォッチ・グループのほか、オーデマ・ピゲ、パテック・フィリップ、ロレックスといった独立系時計メーカーも米国による関税の影響を受けている。スウォッチ株はチューリヒ市場で一時4.6%下落したほか、リシュモン株も0.7%安となった。
フォントベルのアナリスト、ジャンフィリップ・ベルチー氏は「取引環境は依然厳しいものの、2026年に向けて前年との比較は容易になっていく」と述べた。
同協会によると、米国を除けば9月のスイス時計輸出は7.8%増になるという。

原題:Swiss Watch Exports Slump in September on US Tariffs (3)(抜粋)
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