(ブルームバーグ):アナログ半導体で世界最大手の米テキサス・インスツルメンツ(TI)は21日、10-12月(第4四半期)の精彩を欠く業績見通しを示した。半導体業界の回復が失速しているとの懸念が強まった。
発表資料によれば、10-12月期の売上高は42億2000万-45億8000万ドル(約6400億-7000億円)となる見込み。アナリスト予想平均は45億ドルだった。1株利益は約1.26ドルの見通しで、市場予想の1.39ドルに届かなかった。
今回の見通しは、貿易摩擦の激化や景気の不透明感の中で、顧客企業が発注ペースを鈍らせている可能性を示唆するものだ。2年にわたり低迷した需要は回復基調にあるが、その持続性に疑問が生じている。

TI株は決算発表を受けた時間外取引で5%下落した。同社株は今年、半導体株全体の上昇に出遅れている。
7-9月(第3四半期)の売上高は前年同期比14%増の47億4000万ドル、1株利益は1.48ドルだった。アナリスト予想は売上高が46億5000万ドル、1株利益が1.49ドルだった。
同社は3カ月前にも慎重な見通しを示したことで、株価が17年ぶりの大幅下落に見舞われていた。当時、関税によるコスト上昇を見越して中国の一部顧客が在庫を積み増している可能性があると説明していた。TIの売上高の約20%は中国市場が占めており、現地メーカーとの競争が激化している。
原題:Texas Instruments Signals That Chip Recovery Is Slowing (1)(抜粋)
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