今回の閣僚人事の狙いはどこにあるのか、そして今後の課題について、総理官邸前から官邸キャップの中島さんに伝えてもらいます。

今回の人事は、高市新総理の保守的な政治信条に近い議員の登用と総裁選の論功行賞という面がある一方、党内融和や、実務にも配慮した人事と言えそうです。

まず、政権の要の官房長官に起用された木原稔氏は高市新総理に近く、日本維新の会との連立合意にも携わってきました。

また、総裁選で高市氏の推薦人となった片山さつき氏を財務大臣に起用し、小野田紀美氏と黄川田仁志氏も初入閣させています。小野田氏には維新との連立合意で置くこととした外国人政策などを担当させます。

さらに、決選投票で高市氏を支持した旧茂木派からは茂木氏や小野田氏を含め6人が入閣しています。

一方、総裁選で争った林氏を総務大臣に、小泉氏を防衛大臣に起用し、党内融和を図ったほか、トランプ政権との関税交渉を担当してきた赤沢氏を経済産業大臣に起用することで、トランプ政権と築いたパイプを維持する狙いがあるものとみられます。

高市新総理は今夜、新たな内閣を発足させますが、課題も山積しています。

「臨時国会では、とにかく経済対策をしっかり打つ」と話して、物価高対策を盛り込んだ補正予算案の早期成立を目指すなか、維新との連立合意では、一律の現金給付をおこなわないと決めた上、食料品にかかる消費税の廃止は検討案件のままです。

また、“責任ある積極財政”を掲げますが、維新と連立合意した今も、衆参両院で少数与党であることは変わらず、野党の協力を得て、有効な経済対策を打つことができるのかは不透明です。